GSRカップの車両検査とポジション出し

作業日報

こんばんは。

本日はGSRカップに出場される方々の車両検査を行いました。
特にエイプリルフール的なネタも無く、普通に進行してゆきます。


GSRカップに出場する場合、この様な内容の車両検査を受ける必要があります。

当店ではこのGSRカップの車検を、簡単な調整費用込3000円で承っております。

今回はお仲間同士でのご来店で3台の車両を一気に検査いたしました。
作業内容は以下になります。


PINARELLO MARVEL
車両検査
FD取り付け位置修正
RD変速調整
ポジション出し
サドル位置 5㎜バック


COLNAGO AC-R
車両検査
エアロスポーク角度修正
FDアジャストボルト調整
ポジション出し
サドル位置 25㎜ダウン 6㎜バック
ステム角度変更
ブラケット角度変更


Bianchi OLTRE XR4
車両検査
ヘッドパーツ ガタ付き調整
FDアジャストボルト調整
Bテンションアジャストボルト調整
ブレーキ左右クリアランス調整
フロントホイール スポーク増し締め

ビアンキの方のホイールは、どこかで買われた中華系のカーボンクリンチャーですが、以前リアホイールのみ当店で組み直したモノで、リアの状態は良好でした。

フロントはスポークテンションが緩かったので増し締めを行いましたが、やはり組む前のパーツの処理が甘いせいでフリクションが高く、ニップルを回すのに苦労しました。

ピナレロの方はブルべ帰りにそのまま直でご来店という中々のタフガイで、まだナンバープレートも付いています。

GSRカップで使うコスプレは皆さん自作されるそうで、特にお面?はオートバイ用のオープンフェイスヘルメットの外側に色々装飾をし、そのヘルメットの内張を剥がして、その中に更に自転車用のヘルメットを取り付けて被るというのが主流だそうです。

コスプレライダー達は私が思っていた以上に過激派集団だったようで、その気合いに恐怖すら感じましたが、そういったコスプレ界隈の事情や工夫などのお話を伺うのはとても楽しかったです。

コルナゴの方は女性で、作業中にちょっとサドルの前後位置と角度が気になったので色々とお話しを伺ったところ、以前ライド中に激しい腰痛に見舞われた為サドルを前に出し、ハンドルを高く設定したそうです。

この状態では自転車の重心位置が前に寄り過ぎてしまうので、サドル位置を見直した方が幸せになれる可能性がありますと進言し、ポジション出しも行わせて頂きました。

この「ハンドルが遠く感じるので、ハンドルとの距離を短くする為にサドルを前に出し、ステムを短くし、ハンドルを高くする」という方は結構多いです。

確かに、座ってる位置からハンドルまでの距離が短くなり上体も起きるので一見正しい様に感じますが、これは重心の位置を無視しているのでNGです。

自転車は車体の(前後の)重心位置と乗り手の重心位置が同じくらいの(前後)位置にあるのが理想で、ロードバイクの様に前傾になる場合、乗り手の重心は腰の位置に大きく左右されます。

なのでポジションを出す場合はまず腰回りの位置決めからスタートして、その後その腰の位置から無理なく操作出来る位置にハンドルを設定するという感じが良いと思います。

そしてハンドルの高さやリーチや幅やステムの長さなど、ハンドル周りが決まったらワイヤー類の長さを見直してください。

現状からハンドルを下げればワイヤーは弛むので短く(カット)する必要があり、上げればワイヤーは張るので長く(交換)する必要があります。

勿論この程度の変化ならワイヤーはそのままでも大丈夫~という妥協点はありますが、大きく設定を変更する場合、元の位置でワイヤー長が適正ならば基本的には調整が必要になります。

この記事をお読みの方の中でも、肩や腕が疲れ易い、腰や膝が痛くなる、かなり短いステムを使用している、シートポストを可能な限り長く出している(見た目の為)など、身に覚えのある方はサドル(腰の)位置を見直してみれば今よりももっと楽しい自転車ライフを送れるかもしれません。

ポジション出しを行ったピナレロの方とコルナゴの方からは、大変乗り易くなったとのお言葉を頂戴し、とても喜んで頂けまして、こちらとしても遣り甲斐と達成感を得られた作業となりました。