ASSAULT 調整と結線

ホイール 作業日報

こんばんは。

レイノルズ アサルトのお預かりです。


画像は作業後。

リアの乗り味がブヨブヨと軟過ぎてシュータッチもするとの事ですが、こちらのお客様のプロフィールとしては体重50kg台半ばで最大出力も1000W未満だそうです。

そんな軽量級のライダーの方が軟過ぎると感じ、シュータッチまでするとなると、リアホイールのスポークテンションが著しく低下している可能性が高い。

と思ったのですが、全然そんな事はなく、スポークテンション的には完組みホイールとしては妥当なところでした。

こういったケースの対処としては
1. スポークの増し締めをしてテンションを上げる
2. NDSを結線する(綾が取られていない場合は組み換える必要有り)
3. DSスポークを高比重のモノに交換
4. NDSスポークも高比重のモノに交換
以上を段階的に試してゆきます。

以前は軽量スポークでDSを結線した事例もありましたが、とにかくなるべく軽くした上で何とか乗り味を硬くしたいというケースを除いて、DSは高比重スポークを非接触組みした方が調整の幅が広く、良い結果になる事が多いです。

因みに、高比重スポークを限界付近まで張れば基本的に結線の必要は無いかと思いますが、規格外の体重や最大出力がある場合は例外的に結線が必要になる事もあります。

話は戻り、まずスポークテンションを上げた時点で店舗の周辺を軽く試走して頂いたところ、大分マシにはなったがもう一つとの事でした。

レイノルズのハブは造り的に見てDT Swiss製の様です。

例によってフランジ幅は、まるでミニベロ用のハブをOLDだけ延長したかの様な激狭仕様で、スピンドルにも僅かながらカタ付きもある為、NDSの結線で乗り味が改善出来るかどうか非常に微妙な所ではありましたが、結線を施してご試走頂いたところ劇的に良くなったとのお言葉を頂戴しまして一安心です。

恐らくライダーの体重が70kgとかになると、NDSの結線だけでは足りなくなる可能性があります。


NDSを結線しました。

こちらのお客様は強風の中、わざわざ千葉から自走でご来店されまして、到着した時点で既にTSS120オーバーとかなり消耗している為、新脚の状態だとまた意見が違ってくる可能性もあるので今回の所は一旦これで様子を見て頂く事になりました。

乗り味を改善しきれない場合、最終的にはハブとスポークはARPホイール採用パーツを使用して組み直すという所までご検討頂きましたが、個人的にはそこまでしてわざわざレイノルズのリムを使い続ける事にあまりメリットは無いかと思います。

スポークテンションを上げてNDSを結線しても乗り味に不満が出る様な場合、そのホイールはとっとと手放してしまって、それを元手に別のホイールを購入した方が良いかと思いますが、
こちらのお客様は段階的に対策を施して、その都度乗り味がどう変化してゆくのかを体感してみたいとのご意見でした。

基本的にお客様が機材でお悩みの際は、なるべく費用を抑え、時間や手間を省略し、効率的に目的が達成できる様なやり方をご提案させて頂くワケですが、
効率を追っているとついつい忘れてしまいガチな、経験にこそ1番価値があるという事を再認識させて頂いたような気がします。