EVO 50 調整 スポーク交換 他

ホイール 作業日報

こんばんは。

BH系列のEVO 50というホイールをお預かりしました。

リアが100㎞も走行しないうちにすぐ横振れが出てしまうとの事で、こちらのホイールを購入したバイシクルSE〇さんで毎度調整してもらっているけれど原因不明でお手上げ状態だったそうです。

当店へは知人からのご紹介との事でご来店頂きました。


画像は作業後。

取り敢えずSE〇さんの方で調整した際に伝えられたという内容をお知らせ頂きました。

  1. スポークテンションが統一できない
  2. こっちにテンションを掛けると反対が駄目になる?
  3. 振れは取れるけど、たぶんまた振れる
  4. スポークテンションもどれくらいが適性なのか分からない

との事で、取り敢えず点検も兼ねて軽く調整してみた段階での当店の見解としては

  1. スポークテンションが統一できない → 普通に揃いました
  2. こっちにテンションを掛けると反対が駄目になる? → そんな事はありませんでした
  3. 振れは取れるけど、たぶんまた振れる → 要検証
  4. スポークテンションもどれくらいが適性なのか分からない → 販売店なら分かってください

といった感じです。

 

この時点では、スポークの寸法と比重・使用者の体重と出力を考慮するとスポークテンションが割りと低めでした。

スポークテンションが低いところに高負荷を掛けると振れが出易い為、低走行で振れてしまうのかなと思いました。

一見した限りではハブ、スポーク、ニップル、リムに問題は無さそうで、調整も効くしスポークテンションも張れるので、シンプルにSE〇さんの力量不足だったのかなと考えつつ、深く食い込んだリムテープを張り替えていました。


stansのリムテープはロードの空気圧での使用は想定されていないので、けんじるさんのパンツくらい食い込MENしちゃっています。

で、リムテープを貼り替えてビードクリームを塗りながらホイールを回転させていると、調整してから10分程度しか経っていないにも関わらず振れが出ている事に気付きました。

100㎞走行どころか未走行です。

スポークがテンション負けして伸びてしまっているのかと思い確認しましたが、スポークテンション自体は調整した時点から変化はありませんでした。

しかし特定のスポークの部分で大きく振れが出ているので、そのNDS1本を交換してみます。


外したスポークはヘッド付近がうっすらと変形していました。

ある程度テンションは掛かるけれど、変形した箇所がじわりじわり伸びていってる感じでしょうか。

NDSの為テンションが低いというのも原因を分かり辛くする要因の一つだったと思います。

SE〇さん供述の 2. こっちにテンションを掛けると反対が駄目になる?というのは恐らく、無駄に時間を掛けてチンタラと手際悪く調整をしていたせいで、調整が終わるよりも早く変形箇所が伸びてしまっていたのではないかと推測します。

スポーク交換後は安定していますので、取り敢えずはこれで一旦納品し、使用しながら経過観察させて頂くというカタチになりました。

 

しかしこのEVOというホイール、リムも2世代前くらいの仕様ですし、ハブはモロに中華製の安物で設計も品質もあまりよろしくない上に、なんと税込みの末端価格で約18万円ほどという驚くべき金額設定の様です。

低コストで高売上というメーカー側としては非常にコスパの高い商品と言えます。
私の中でBHの格付けランクは一気に地下層までメリ込みました。

そして、どういうワケかバランスウェイトが謎に全方位8ヶ所に貼り廻らされています。


何かのお呪いでしょうか。

未確認ですが、さすがにショップでの作業ではないと信じたいです。
かと言ってお客様によるセルフ施工だとしたら、あまり辛辣な事を書くワケにはいかないのでこれ以上は触れないようにしておきます。

取り敢えず8ヵ所のウェイト合計9.2gを全て剥がし、調整作業後にバランス取りを行ったところウェイトは1.7gととても優秀で、このホイールの唯一優れている点と言えます。

 

作業を進めるにつれてやる事が増えていったカタチですが、今回の最終的な作業内容です。

  • TLタイヤ着脱(シーラント有り)
  • リムテープ交換
  • NDSスポーク1本交換
  • スポークテンションバランスの調整
  • 縦横振れセンター調整
  • スポークテンション増し締め
  • バランス取り
  • バルブコア交換