KSYRIUM 125 点検・調整

ホイール 作業日報

こんばんは。

キシリウム125のお預かりです。


画像は作業後。

こちらは新品未使用品なのですが、購入時にリアのセンターが大きくズレていたそうで、購入店に問い合わせたところ「マビックの出荷状態は絶対にズレていない」「空気を入れるとセンターは合う」等、やや横柄な態度でイマイチ腑に落ちない回答をされたそうです。

しかしセンターがズレているのは明らかなので、その後何度かやり取りを重ね、マビックに送って調整してもらうという事でまとまったハズだったのに、購入店に預けてからかなりの時間が経過してから、結局のところは購入店で調整したみたいな事を言われたそうで、そのショップに不審感を抱き、ウチにお持ち頂いたそうです。

因みに購入されてから1年以上購入店に預けていたそうです。
その購入店ではキシリウム125を20セットくらい販売されたそうですが、そのウチ5セットくらいでセンターズレを確認されたらしく、最終的な対応はかなり萎らしくなっていたそうです。

で、状態としては
フロントは左に若干のセンターズレ、非常に軽微な横振れがありました。
縦振れは±0.1mmに収まっていました。

リアは軽微な縦振れと横振れがあり、タイヤを外した状態ではNDSへ2mmくらいセンターがズレていて、タイヤをハメて空気圧を7.2bar(お客様の使用される数値)入れるとDSへ1mm弱ズレました。
リムがクリンチャーの場合(チューブレスも同様)、タイヤの空気圧が上がるほどスポークテンションが緩んでゆきます。

で、DSよりもNDSの方が元が緩いのでセンターはDSの方へ動きガチで、2:1スポークの場合は更に動き量が大きい様に感じます。

今回のキシリウム125は、キシリウムプロエグザリットと同じモノ?なのでNDSはカーボンスポーク、DSとフロントはアルミスポークで、カーボンスポークとアルミスポークの緩み率の違いが大きい為、センターがズレる量が多いのでは無いかと思われます。

なので購入店の「空気を入れたらセンターは合う」という供述は間違いというワケではなく、空気を入れた状態でセンターを合わせた場合、タイヤ無しの状態だとセンターはNDSの方へズレているがタイヤをハメて空気を入れるとセンターは合う、という事になります。

しかし、ユーザーによって空気圧は異なるので、それによってセンターがズレる量も違ってきます。
なので完璧に調整するには、ザックリ言うとタイヤ無しの状態で縦振れと横振れを調整して、タイヤをハメて使用される空気圧に合わせた状態で横振れ調整の仕上げをしながらセンターを合わせ、スポークテンションの増し締めを行う必要があります。

因みに、ARPホイールをオーダー頂いた場合、タイヤのセットアップやバランス取りまでご依頼頂ければタイヤをハメた後の仕上げを行っているのですが、ホイール組みまでしかさせて頂けない場合は数値的に大体この辺りのハズ…という感じで調整をしています。

なのでクリンチャーやチューブレスの場合、通販の方やホイールオーダーのみのお客様の個体は厳密には完璧な状態でのお渡しは困難なのですが、大体は(少なくとも出荷状態の完組よりは)合ってるハズです。