SES3.4 調整

ホイール 作業日報

こんばんは。

ENVE SES3.4のお預かりです。


画像は作業後。

こちらのお客様はチタンスポーク化モニターをご希望だったのですが、お話を伺った限りでは硬いホイールが合うかどうか微妙でした。
取り敢えずこちらのSES3.4の状態がよろしくなかったので、硬めに調整して感触を見てから判断して頂く事になりました。

現状ではストップ&ゴーのレスポンスに不満があるとの事でしたので、もしかしたら調整のみでご満足されるかもしれませんが、それはそれでOKです。

お陰様でチタンスポーク化モニターの被験者は既に想定していた数に概ね届いていますので、5月いっぱいくらいで締め切ろうかと考えています。

 

こちらのSES3.4はハブもENVE製で、完組ホイールとして販売されているモデルだそうです。
この製品に採用されているスポークはCX-Rayですが、こちらの個体はCNスポークに交換されていました。

CNスポークはブレイデッド加工の範囲が短く曖昧で、他のエアロスポークと比較してプレーン部分が多く、実際の重量・引張強度・空力性能で劣りますが、プレーン部分が多い = カット代が多いという事なので、ERDの異なるリム等に交換した場合でも対応できる範囲が広いというメリットがあるとも言えます。

因みに当店では信仰上の理由からCNスポークは使用しません。

 

で、こちらのホイールの状態としては前後ともにスポークテンションが結構低めで、更にスポークテンションのバラつきがかなり酷く、横振れも大小複合的に出ていましたがセンターと縦振れはある程度まとまっていました。

それと、こちらはチューブレス対応リムながらクリンチャーで使用されていましたが、フロントのリムテープはクリンチャー用のかなり細幅のモノで、リアはチュープレス用のリムテープが異常に雑に2周貼られていました。

チューブレス用リムテープは低めの空気圧を想定されているのでクリンチャーで常用するとスポークホールへの食い込みがキツくなりパンクリスクが高くなりますが、リムテープ自体の耐久性の低さと貼り方も手伝ってか、過去に見た事がない程食い込んでいました。

フロントのリムテープも幅広のENVEリムに対してとても細く、ビード誘導溝をギリ覆える程度の幅しかありませんでした。
前後ともにパンクリスクが高い状態で使用されていたので、事が起きる前に発見できてよかったです。

いずれにせよチューブレスリムテープは再利用できないので、ホイール調整後はタイヤを組まずにお渡ししました。